コージの海外バレー放浪記(Koji's Overseas Volleyball Wandering)

還暦を前に海外で奮闘するオヤジ物語!!

地球の歩き方・NZ編(2009/7/24)

6回 ニュージーランドならではの苦難を楽しむ
2008.04.07
ニュージーランドでは、過去にはない体験が待ち構えていました
この11年間バレーボールコーチという肩書きで、世界各国を回ってきた私ですが、
今回のニュージーランド生活は悪戦苦闘の連続です。

今まではその国のバレー協会、クラブチーム側の働きにより就労ビザ取得が可能でした。2003年のミャンマーなどスポーツ大臣の一言でビザが取得できるほど簡単なことに驚いたものです。また、サウジアラビア在住時は、クラブオーナーが国王の親族関係だったので、2日でビザが取れました。
要するに、私は書類にサインをするだけだったのです。

しかし、今回は違いました。チーム監督ですが、自分で就労ビザを取得するが要求されたのです。そこで、ニュージーランド就労ビザについて調べました。「30歳以下であれば1年間のワーキング・ホリデービザが取得可能」しかし私は43歳。枠外です。問い合わせたところ、「職場決定→ビザ申請→取得→入国」の手順だとか。

しかし、受け入れ先のバレー協会はボランティア団体であり会社ではないのです。では、どうなる? 「とりあえず、行ってみよう!」とのことで、訳の分からぬままニュージーランドに降り立ってしまいました。

ニュージーランド・バレー界初の外国人監督採用ですので、誰もよい案を持ち合わせていません。ですから、協会理事長と弁護士や政治家のもとを尋ねてアドバイスを受ける日が続きました。そんなある日、入国管理局から「スポーツコーチであれば、特別枠でビザを発行しましょう」との返答が届きました。
その時、私は思いました。「1週間後にはビザが手に入るんだ」と。

必要書類提出。そして、健康診断・指紋採取とすべて終了し、ビザ取得は時間の問題だ! と思っていた矢先、健康診断で異常あり。胸部レントゲンにて左肺に影が! 「あなたは過去に感染症に掛かったことがあるはずだ」とドクターにいわれました。記憶をたどると、2年前ミャンマーで高熱を発し2週間入院しているのです。

当時のドクターからコロコロ変わる病名を聞かされ、自ら退院した覚えがあります。実はあの時、感染症に掛かっていたのですね。結局、この胸部異常で手間取り、就労ビザが手元に届いたのは6ヶ月後のことでした。
ほかの国でバレー・コーチをしていたときは、アパートが用意されていたり、ホテル住まいでしたので「住まいは与えられるもの」と思い込んでいました。これもまた、今回は違いました。就労ビザ申請と同時に家探しが始まったのです。アパートや一軒家は高額。こうなると低料金のホームステイか? フラットを探すか? 「40過ぎのオヤジがホームステイか~。受け入れ先あるかな~」と不安を感じたので「フラットを探す」を選びました。

では、どのように探すか? そこでバレー関係者が働く会社で「フラットメイトを募集していませんか?」とメールを流してもらったのです。結構反響がありました。その中から条件に合う場所を選ぶわけです。日本では考えられませんが、海外では知らない者同士が共に住むということは珍しくありません。
この家も、1カ月前にスポーツ・ワイカトの社内メールで確保しました。

しかし、しょせん赤の他人。3カ月程度で家を替わるほうが私にとってベストだという結論に達しました。なぜなら、3カ月目でその生活に慣れてしまい、怠慢な日々を送ることになってしまう気がしたのです。また、フラットメイトとは生活習慣も違いますから、少々(時には多く)のストレスも感じます。私は常に新たな環境を求めたいし、また、多くの方と出会いたいとも考えているからです。2カ月後には、また住居探しが待っています。フーッ!

食の面でも、今までと同じようにはいきませんでした。それまでは「外食が当たり前」と思っていたのですが、自炊をするようになるのにも時間は掛かりませんでした。ハミルトンはレストラン軒数こそ多いですが、似たようなスタイルが多いのです。栄養が偏ってしまいますね。こうなれば自分で作らねばなりません。栄養を考え、学生時代の食事当番メニューを思い出し、せっせと作る毎日です。

私の料理の腕を昔の通知表(5段階評価)に例えるならば、「2」でしょう。手際も悪いうえに、味も悪いときていますから始末に終えませんね。毎日キッチンで格闘を繰り返していますが「帰国したときに、家族へ作る食事のための修行だ!」と、日々精進しています(笑)。一人での食事が多く「食事は、大勢で食べたほうが美味しい」とも思うようになりました。

今回のニュージーランド生活は大変ですが、ワクワクする貴重な毎日でもあります。ビザ取得も大変だった! 住居もまた探さなければならない! 食事の格闘は永遠に続きそう! でも、悪戦苦闘があるから海外生活は面白いのです。平穏であれば退屈だし、順調に物事が進めば人としての向上はありえないでしょう。

今後の生活ではどのような苦難が待っているのか?
私は、苦難を楽しんでいます。